一度、深く息を吸い、一気に吐き出すように言う。
「あの!そ、そういうの、良くないと思います!」
突然優羽にそう言われ、振り返った二人は、すぐに機嫌が悪そうな顔をした。
茶髪の子が、機嫌の悪さを隠そうともせずに言う。
「ちょっとぉ、あんた、誰?アタシたち今このお兄さんとしゃべってるんですけどぉ」
髪を巻いてる子も、優羽のことを思いきり睨み付けながら加勢してきた。
「人が楽しく話してるのに、邪魔する権利なんて、ないと思いまーす」
彼女の優羽を睨み付ける鋭い視線だが、玲也がいる所からは見えない角度を計算しているようだ。
声だけ聞くと、可愛い女の子らしく、そして甘ったるい声である。
「でも、神田…店員さんはさっきから何度も断ってますよね?」
「でもでも、マイたちはお客さんだしー、店員さんなら、客と話すこともお仕事じゃないのー?」