しかし一方で、彼女たちは迷惑でしかないというのは分かっているのに、あんな風に好きな人にも積極的に話しかけられることはうらやましかった。



(嫌だな…)



席に座っても、そちらばかり気になって、メニューが頭に入ってこない。



(あの、髪染めてる子も巻いてる子も、私よりずっと可愛いし…)



そんなことまで思い始める始末だ。


少し聞き耳を立てていると、玲也は何かを断っているのが分かった。

しかし、彼女たちはそれで諦めたりはしない。






──優羽は気がつくと、ガタンと音を立てて立ち上がっていた。

自分でも自分の行動が理解できない。

だが、頭で考えるよりも早く、優羽はまっすぐ女子高生二人と玲也がいる方へ歩いていた。