あんずジャム



優羽は思わず謝ってしまい、うつむく。


すると、予想外に、玲也が話しかけてきた。



「お客様、先日もいらしてましたよね?」


「…っ!?」


「あ、ごめんなさい。あんずジャムをとても気に入ってらしたのが印象的で…
またご来店くださってありがとうございます」



驚きのあまり、優羽はとっさに言葉が出なかった。

覚えられている、というのは考えてもみなかった。



(嘘でしょ…私そんなに分かりやすい態度取ってたのかな…)



顔が燃えているような気がするくらいに熱い。


玲也はニッコリと微笑んで続けた。



「この前は売り切れていたケーキやブルーベリーマフィンなんかも美味しいので、今度は是非、店内でもゆっくりしていってくださいね」


「!は、はい」