あんずジャム




玲也は納得したようにうなずいた。



「分かった。バイトがない時ならいつでもいいよ」


「よかった」



微笑んで、優羽はまた躊躇いがちに口を開いた。



「…ここからは私の希望なんですけど」


「ん?」


「私今2年生で、そろそろ受験生なので…今のうちにいろいろ遊びに行きたいなって…その、二人で…」



玲也は一瞬ポカンとした。

しかし、すぐに笑顔になる。



「それくらいお安い御用。行きたいところとかあるの?」


「あー…えっと、それはまだ…」


「そっか、じゃあ一緒にいろいろ決めようか」



優羽は玲也の言葉にこくりとうなずいた。




寒空の下、好きな人の隣にいられる幸せを噛み締めながら、優羽は残ったアップルミルクティーラテをごくりと飲みほした。



-fin-