「…優羽ちゃんは、もしかしたら俺のことが好きなんじゃないか、っていう期待」



からかわれているのだろうか、と思った。


だって、玲也の言い方はまるで



(私のことが好きっていうこと…?)



そう考えて、まさか、と考えを打ち消す。

冗談めかして、「違いますよー、期待させちゃいました?」みたいに明るく言うのが正解なのかもしれない。


それでも…



(そうやって自分に嘘をつき続けるの?後悔するなら、伝えて後悔するんだって、昨日決めたばっかなのに?)



そう自問した。


だけど、優羽の口が動いたのは、答えが出るよりも前だった。







「…好きです」