「あれ、裕太、今日部活ないの?」

今日は体育祭が終わってすぐの土曜日。
珍しく姉が家に帰ってきている。
休日は彼氏の家に泊まってるのに…。

「姉貴こそどーしたんだよ。」
俺は食パンをかじりながら尋ねた。

「鈴ちゃんの勝負服選んできたのよ。あれ、その様子だとデート相手はあんたじゃないのね。」

「はぁ!?デート!?」

「急に大きい声出さないでよー。気になるなら本人に聞けばいいじゃん。」
姉貴は耳を塞ぎながら文句を言う。

「おい、時間と場所知ってるか?」

「えー。教える義理な「駅前のクロワッサン」」

「10時に噴水のある公園。」

時計を見ると既に9時50分。
今からだと30分はかかる…。