芝田がその場から動く気配がないので、仕方なくわたしが歩き始める。
「……市川?」
目の前に現れたわたしを、ギョッとした顔で見る芝田。
わたしはゾンビかなにかですか?
「あー、えっと……別に覗いてたわけじゃないよ」
ゴミ袋を両手に掲げて見せ、ここを通る用事があることをアピールした。
「どこから見てた?」
「え?」
「全部、聞いた?」
「女の子の告白はちょっと聞こえたけど……なに? 文句ある?」
「いや……別に」
なによ。言いたいことあるなら言えば?
「仕方なくない? 通り道なんだから。怒られる筋合いはない――」
「いっこ持つよ」
「え」
片方のゴミ袋を、ひょいと奪われた。
それも、瓶の入った重い方。
……そんなに簡単に、持っちゃうんだ。
「ありがと」
「おう」
芝田とゴミステーションに向かう。


