となりの芝田は、青い。




「俺まだ言ってもらってないんだけどなぁ?」

「なにを」

「愛の言葉」

「……!?」

「甘く囁いてよ。ほら、耳元で」


自分の耳を人差し指でさしてるとこ悪いけど絶対届かないからね。


せめてかがんでくれ。

いや、でも、なに言えばいいのよ。


「待ってるから」

「……え?」

「薙乃ちゃんの素直な気持ちが聞けるの」

「……っ!」


自分の気持ちを口に出してのは伝えるのは、

とても勇気がいることだと思う……。


「芝田はわたしのこと、素直って言ってくれるけどさ。わたしそんなに……素直じゃないから」


どうして、芝田はわたしに

そんなにまっすぐに気持ちを伝えられるの?


わたしはこうして一緒に歩いているだけで

いっぱいいっぱいなのにっ……。


「力抜けよ」


ポン、と頭に置かれたのは大きな手。


「薙乃ちゃんは素直だよ」

「……そうかな?」

「ツンデレなだけ」

「つ……ツンデレぇ!?」

「あれ。自覚ないのか」


自覚もなにも。ツンデレじゃないし!!!


「いつ薙乃ちゃんから愛の告白をされるかって思うと興奮して授業中寝れなさそう。どうしよ」

「興奮すんなっ……! 授業中は寝なくていいし」


ああもう、やっぱり芝田は芝田だ。


でも。

芝田がこうして場を和ませてくれてるから話しやすいのも事実で……。


……待って、芝田。


もしかして、それもわざとなの?


だとしたらアンタは本物のイケメンだ。