「……ほんっと、アンタってヤツは……」
「その顔」
「へ?」
「大好きだ」
「っ、」
芝田さぁ。
なんて顔して笑うの……?
キラキラしすぎて眩しい。
眩しすぎる。
心臓がドクンと跳ねた。
それをさっき走ったせいにして無理矢理自分を納得させる。
「入学して間もない頃。唖然として。俺のクソダサい筆箱みただろ」
気づいてたの?
というかダサい自覚あったの!?
「あのときの俺は。どの程度子供になれば女の子から特別な感情を抱かれないか研究してました」
(……ケンキュウ?)
「芝田少年は、小学生の頃、それはそれはモテました。そして、そんな俺をよく思わない男子からイジメの標的(ターゲット)にされました」
「……!!」
「俺は別に良かった。なにをされても気にする性格じゃなかったから。平然と休まずに通ってた。だけど、それが相手を余計に刺激した。結果、巻き込まれた俺の友達が傷ついた」
――ねえ、芝田。
アンタは、のほほんとしてるけど
本当はすごく相手のこと考えてるよね。
胸のハナシにしてもそうだ。
ああいう誰かが傷つくことには絶対に悪ノリしたり同調したりせずに流す。
告白を断られて泣いてた後輩の子に対して、罪悪感だって抱いてた。