しばらくホテルについて調べていた克矢が、スマホの画面を見せて来た。


そこには小さなラブホテルの写真が映し出されている。


さっき裕斗に見せてもらったポイントカードのホテル名とも一致している。


「ここだ、間違いない!」


「このホテルはKマートの近くのホテル街にあるホテルの1つだ」


克矢が言う。


「それじゃ、夏男はあの辺に行ったことがあるってこと?」


あたしが聞くと、裕斗は目を大きく見開きそして口角を上げて笑った。


「それだけじゃないぞ。杏がいなくなった当日、夏男もこの辺りにいた可能性が出て来た」


「夏男が嘘をついてるってこと!?」


あたしは思わず声が大きくなる。


あんなにやつれてしまった夏男を見て、まだそんな風に思っている裕斗に怒りさえ感じられる。


「そこが問題だよな、夏男は嘘をついているようには見えない」


そう言いながらも、裕斗はどこか楽しそうだ。


「それをこれから再確認しに行こう」


「再確認……?」


「みんなでもう一度夏男に会うんだ。今度はいつものメンバー全員で」


と、裕斗が言った。