「なぁ心、俺たち付き合わないか?」


その言葉が空高くまで吸い込まれてしまいそうに思えて、必死で聞きとった。


「え?」


あたしは立ち止まり、涼太を見つめる。


「俺、心のことが好きだ」


それはずっと好きだった人からの告白だった。


涼太があたしを好きだって。


「あ……たしも。涼太が好き」


何も考えないまま、そう言っていた。


頭の中は真っ白でなにかを考える余裕なんてなかった。


気が付けば涼太の顔が近くにあって、あたしたちはキスをしていた……。