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今日は体育祭ということで学校内もどこか浮き足立った雰囲気があった。


みんな体操着姿のまま登校してきていて、テンションが高い。


「心おはよ」


教室へ入ると真っ先に柚が声をかけて来た。


「おはよう柚」


そう言って欠伸をかみ殺す。


昨日なかなか寝付けなかったせいだ。


柚の後ろに涼太の姿を見つけて一瞬ドキッとしてしまう。


姿を見るだけでドキドキしていたら、あたしの心臓はいくらあっても持たないだろう。


「朝から涼太君を見てるの?」


柚にそう言われてハッと我に返った。


「そんなワケないじゃん」


そう返事をして、教室の後ろのロッカーに大きな段ボールを置いた。


中には仮装道具が入っている。