一瞬、心臓がドキンッと跳ねた。


「スカートが、どうかした?」


「あれ、スゲー可愛いな」


「……スカートが、可愛いんでしょ?」


ミシンを少しだけ動かし、最後まで縫い上げてから、あたしはとても小さな声でそう言った。


それでも涼太にはちゃんと聞こえていたようで、目を丸くしてあたしを見ている。


「心によく似合ってる」


そう言われて、体がカッと熱くなった。


窓から差し込む太陽のオレンジ色で誤魔化せているといいけれど。


「……ありがとう」


「なぁ、体育祭が終ったら一緒に打ち上げしようぜ」


気を取り直すように涼太がそう言った。