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翌日、学校であたしはN女の制服を借りる事ができたと、2人に説明した。


「やったね心。これで涼太の心はゲットしたも同然だね」


柚がそう言ってニヤニヤと笑う。


「何言ってんの。あたしは別にそんなんじゃないし」


そう言っているのに、千代までもニヤニヤ顔であたしを見てくる。


誤魔化してきたつもりだったのに、なんだかんだとバレバレだったようだ。


それから体育祭までは本当に忙しかった。


あたしたちは自分たちが仮装するだけでなく、担任の先生と副担任の先生まで仮装をさせなければならないのだ。


男の先生に女装を指せることが毎年の暗黙の了解となっている。


衣装用の生地を購入し、先生の体のサイズを採寸し、縫い合わせて行く。


家庭科で習った技術をすべて詰め込んで衣装を作って行った。


「心、頑張ってんじゃん」


放課後、もうひと踏ん張りと思って家庭科室に1人で残っていると、涼太が入ってきて声をかけて来た。