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小春ちゃんとの約束場所はこの前と同じ駅前だった。


ソワソワとした気持ちで相手を待つ。


太陽はまだ高い位置にあるけれど、帰る頃には暗くなっているかもしれない。


「心ちゃん、お待たせ!」


5分ほど待ったところで制服姿の小春ちゃんが走って来た。


「小春ちゃん! 急なお願いをしちゃってごめんね」


「ううん。全然大丈夫だよ」


小春ちゃんはここまで走ってきてくれたようで、額に汗がにじんでいる。


あたしは近くの自販機に走り、冷たいジュースを1本買った。


「紅茶で良かった?」


そう言いながら缶の紅茶を小春ちゃんに差し出す。


「ありがとう心ちゃん」


小春ちゃんは紅茶を受け取り、すぐに美味しそうにひと口飲んだ。


「学校が終わる時間が違うから、焦らせちゃったね。ごめんね」


N女はあたしたちよりも30分終わるのが遅かったようだ。