それだけで話は通じる。


2人は唖然とした顔を浮かべている。


「嘘でしょ?」


そう言ったのは千代だった。


「本当だよ。あのお屋敷って本当に広いの」


あたしは昨日見た風景を2人に話して聞かせた。


大きならせん階段に赤い絨毯。


同じ日本とは思えない場所だった。


話をしている間に、まるで自分の自慢のような気分になってきた。


「本当に、すっごく素敵なお屋敷だったよ」


「そうなんだぁ」


千代がそう言い、うっとりしたように目を細めた。