それはもうあたしとは次元の違う悩みの話だった。


お嬢様学校の生徒たちはみんなそれぞれ、家庭の事情があるようだ。


「そうなんだ。小春ちゃんは習い事とかはしてないの?」


「あたしもしてたんだけど、なかなか続かなくてすぐ辞めちゃうの。長く続いてるのは写真だけだよ」


そう言ってスマホを見せてほほ笑んだ。


「さぁ、行こうか」


小春ちゃんはそう言い、あたしの手を掴んで歩き出したのだった。