「言ってみようかな、小春ちゃんの家」


そう言うと、小春ちゃんは嬉しそうに頬を染めた。


「よかった! 突然家に誘ったりしたから嫌がられたかと思ってた!」


「全然嫌なんかじゃないよ」


あたしはすぐにそう言った。


「家に友達が来ることってあんまりないからすごくうれしい!」


「あまり友達を呼ばないの?」


「うん。呼んでもね、あまり来てくれないの」


途端に暗い表情になる小春ちゃん。


学校は楽しいと言っていたのに、本当はイジメにでもあっているんだろうか?


そう思い、恐る恐る「どうして?」と、聞いた。


「みんな放課後は習い事とかで忙しいの。会社の後を継ぐような子もいるし、とても遊んでいる時間なんてないの」