それを聞きながら玄関を飛び出した。


やっぱりあたしが入る場所はここじゃない。


こんな所で生活を続けるなんて無理だ!


屋敷から駅までの道のりが永遠のように長く感じられた。


堀内の娘だとバレると、すぐに声をかけられた。


「車で送ってあげるよ、どこまで行くの?」


高級車があたしの隣に止まる。


あたしはそれを無視して早足で歩いた。


誰も信用できなかった。


みんながあたしの財産を狙っている。


あたしの味方なんてどこにもいない。


そう思うと、歩きながら涙が滲んだ。