☆☆☆

愛なんてない。


だけど特定の相手を作っておかなければならない。


それは想像以上に過酷なことだった


あたしはプレゼントを1つ1つ開封し、添えられている手紙や写真を確認して行った。


どれもこれも、小春ちゃんに良く思われたくて必死になっているのがわかった。


これだけの人数に好かれているのに、そこに愛情はない。


そんな孤独をあたしは今まで味わったことがなかった。


思えば、小春ちゃんはいつも『寂しい』と言っていた。


それは両親が家にいない事だけじゃなく、本物の愛情を注がれていない事からくる言葉だったのかもしれない。


朝までかかってその作業を終わらせたとき、あたしの手の中には1枚の手紙があった。


心を込めて開かれた方に見える手紙。


相手の一生懸命さが伝わって来た気がした。


なにより、手書きでちゃんと書いてあるところが気になった。