ユキエさんは怒ってそう言いながら、あたしを屋敷へと入れた。


その瞬間、階段の周りにたくさんのプレゼントが用意されているのが目に入った。


「ユキエさん、これはなに……?」


「なにって、お嬢様へのプレゼントですよ」


「プレゼント……?」


小春ちゃんの誕生日はあたしより1日早い。


もう終わっているはずだ。


「お嬢様と交際したい方々からのプレゼントです。有馬様と別れたと、情報が出回ったからです」


ユキエさんの言葉にあたしは唖然としてしまった。


ホテルを飛び出してから、まだ1時間も経過していないのに。


「会社の情報を漏らすことなく、特定の男性と付き合っていればこんな迷惑なことにわならないと、あれほど言ったじゃないですか」