インフルエンザなんて大げさすぎただろうか。


ドキドキしながら返事を待っていると《大丈夫? あたしはもう少しこっちにいてもいいけど、辛かったらすぐにユキエさんに言ってね?》と、返事がきた。


その内容にホッとため息を吐き出す。


内心は疑っているかもしれないけれど、まだ小春ちゃんのままでいることができるのだ。


そう思うと、嬉しさの方が勝っていた。


《わかった。ありがとう小春ちゃん》


あたしはそう返事をして、すぐに隣の部屋へ向かった。


あたしの大好きな衣裳部屋。


今はこれが全部あたしの物なんだ。


そう思うと頬がにやけて止まらない。


鼻歌を歌いながら好きな服を試着して行く。


鏡の前に立ち、クルンッと一回転してみる。


可愛い小物と合わせてみる。


まるで雑誌の中に入り込んだような錯覚を覚えた。