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「心ちゃん起きて」


そんな声がしてあたしは目を開けた。


目の前に小春ちゃんの顔があり、驚いて飛び起きた。


窓の外はすっかり暗くなっていて、慌ててスマホで時間を確認する。


時刻は夜の10時だ。


屋敷へ戻って来たのが6時過ぎだったから4時間も眠っていたことになる。


小春ちゃんからのデートが終ったというメッセージも入っていた。


「ごめん小春ちゃん! 寝てた!」


「あはは。すっごく気持ちよさそうに寝てたから起こさないでおいたの」


「ごめんね。駅まで車で迎えに行く予定だったのに」


そう言うと小春ちゃんは「気にしないで」と言った。


「屋敷、入れたんだね?」


「もちろん。小春ちゃんの友達の心ですって言って、入れてもらった」


そう言って笑う小春ちゃん。