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「おはよ心」


教室へ入るといつも通り柚が声をかけて来た。


千代や涼太もすでに登校して来ている。


「おはよー」


あたしはぎこちなくなる笑顔を浮かべながら自分の席についた。


「もう風邪は大丈夫なの?」


千代にそう聞かれて一瞬キョトンとしてしまった。


慌てて頷き「もうすっかり大丈夫だよ」と、返事をした。


「それならよかった。昨日は声もちょっと変だったもんね」


変って……。


そう言われるとなんとも言えない気持ちになった。


「でもさ、昨日の心ってなんか楽しそうだったよねぇ」


そう言ったのは柚だった。


「え、そうかな?」


ドキッとして思わず視線をそらせてしまう。