更に晩ご飯はフランス料理のフルコースで、次々と出される料理に目が回るかと思った。


「こんな素敵な生活なのに、なにが寂しいんだろ」


お風呂から上がって小春ちゃんのベッドに横になり、あたしはそう呟いた。


大きなお風呂にはバラがちりばめられていてすごく綺麗だった。


入浴剤もその辺のスーパーでは手に入らないものだったようで、お風呂上がりはスベスベになっている。


こんな生活贅沢過ぎる。


小春ちゃんは何もかもを手に入れているから、寂しいだなんて感じるんだ。


ちょっと家族が遠く離れていたって、別に亡くなっているわけじゃない。


お手伝いさんたちもとても優しくていい人たちだった。


誰もがうらやむ理想的な生活だ。


「お嬢様って本当に我儘なんだなぁ」


1人でいるならいるで、それは気ままなことのはずだ。


両親のうるさい小言だって聞く必要がない。