「でもさ、あたしの学校と小春ちゃんの学校じゃ授業も全然違うんじゃない? 当てられたらどうするの?」


そう言うと、小春ちゃんは少しひるんだように見えた。


さすがに、勉強の内容まで全部記憶することはできない。


「その時は……どうにかする」


具体的な案はなにもないようだ。


それでも引く気はないようで、ジッとあたしを見つめて来る。


あたしは大きくため息を吐き出した。


「わかった。それなら1つだけ約束して」


「なに? なんでも言って?」


「涼太にはあまり近づかないで。風邪をひいたふりをして大きなマスクをつけてればいいかも。声は少し違うから、あまり話をしないようにして」


あたしの言葉に小春ちゃんはうんうんと頷いている。


「わかった。絶対にあたしだってバレないようにする」


小春ちゃんはそう言って、あたしたちはチェンジすることが決まったのだった。