「うん。背の小さい子が柚。大きい方が千代。後ろでふざけた顔をしてるのが――」


「彼氏だね!」


「……そう。彼氏の涼太」


あたしはチラリと小春ちゃんを見た。


小春ちゃんは興味深げにあたしの写真を見ている。


もし万が一、あの写真を見ただけで涼太のことを気にいっていたのだとしたらどうしよう?


あたしになり切ると言いながら、涼太の前だけでは本当の自分でいる気じゃないだろうか。


「……やっぱり無理だよ」


「え、なんで?」


「だって、いくら似てても絶対にバレるよ」


「そんなの、やってみなきゃわかんないじゃん」


小春ちゃんが少しムキになってそう言った。