部屋の中は6畳ほどで、ベッドとサイドテーブルと本棚が置かれているスッキリとした様子だ。


そのベッドの上に座っている女性がこちらを向いた。


シワだらけの顔は、よく見ると夏生に似ているかもしれない。


「今日は友達を連れて来たんだよ」


「はじめまして、菅原里菜です」


そう言ってペコリとお辞儀をした。


しかし、お婆ちゃんはなにも言わない。


さっきから動揺を口ずさんでいる。


「あら、夏生ちゃん」


不意にそう言った。


「お婆ちゃん、今日はあたしのことがわかるみたい」


夏生は嬉しそうにそう言った。