胸をときめかせ、身体を震わせ、頭を抱える私の耳に、ピアノの音が聞こえてきた。 クラシックではないが、漢マンの破茶滅茶な歌でもない。 流れるようにキラキラ輝くその音色は、漢マンの曲と同じように耳に染み付いて離れない。 有名な曲をアレンジして演奏しているものだった。 ーお前のために弾くー そんなこと、言わないで欲しい。 だって流れる曲は、切ない純愛を歌った曲ばかりだったから。