私は行く当てもなくトボトボとやってきたのは、高校の頃帰りによく寄った公園だった。


「ブランコなんて久しぶりに乗ったな…」


高3の夏、まだ付き合って間もない光輝とここで暗くなるまで話してたっけ?
光輝はバスケ部だったからテスト週間のときしか一緒に帰れなくて…。
テスト前だから勉強しないといけないってわかってるのに、帰りたくないからって寄り道してたんだよね。


私のバカ、なんでこんな所来ちゃったんだろう。これじゃ、嫌でも光輝のこと思い出しちゃう…。



「さっきの態度はさすがにわかりやすすぎたよな〜…あはは…」



あ…やばい…泣く。

瞳から涙が溢れないように上を向いたときだった。




「____あれ?一ノ瀬さん?」