「あ。…おはよう。千里…」


千里と、私の家の中間地点。

学校への道の曲がり角。


スラッと背の高い、ふわっと靡くアッシュの髪型をした彼に声をかける。


「…今日もいたんだ」


───私がいつも千里を待ってる場所。


千里が私の声すらも嫌だとばかりに、はぁっとわざとらしく溜息を漏らす。

それにきゅっと唇を噛み締めた。


「…ごめん」


喉がへばりついたみたいに、それしか言えなくて…
千里の顔が見れなくて、スクールバッグの肩紐をきゅっと握りしめた。