駆け足で階段を登ったせいか、少し身体が火照って、息が上がる。 「まぁ。いいけど…」 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 いいけど。と言った割に天本くんはこちらを凝視している気がする。 突き刺さるような視線が気まずくて、ほんの少し顔を天本くんの方へ向けると、 「それ、暑くないの?」 天本くんは、普通に話しかけてくれた。