「でもさぁ!」 キャピキャピと甘えるような可愛らしい声が。 羨ましい女の子特有の鈴を転がしたような、少し高い声が聞こえて、不意に顔を上げる。 でもやっぱり、髪は私の顔を覆うように、垂れたまま。 「藤島くんも、千波さんのお守り大変だねぇ」 パタパタと上履きに履き替えた千里を松前さんが追いかけて、左側へ。