人格交換ガチャ

「このガチャガチャ…すごい!」



「な、にがだ?」



「…私の顔だよ。変わったでしょ?」




菜々はそう言うが、何も変わった様子はなかった。

いつも通りの絶世の美女……。
ん?いつも…通り?



「そっか、他人には分からないようになってるんだ。すごい。本当にすごいじゃん!」



「菜々……?なんだろ。頭の中がおかしい」



菜々とは中学校は違ったもののいつもそばに居た。にも関わらず、脳裏に浮かぶのは今の絶世の美女の顔だけ。

なぜだ。

なんでこんなに違和感を感じるんだ?




「ねぇ、朋也。変えたいなら、変えなきゃ」




俺は頷いてガチャガチャをした。
出てきたのは水色のカプセル。
硬いカプセルをめいいっぱいの力を入れて開けた。中に入っていた紙には俺の望んだことが書いてあった。



“頂点に立つ水色”




「もしかしてこれで…!」



菜々と俺はそれぞれ自分が欲しいものを手に入れて喜んでいた。

死んではいないし。

何も奪われた感覚なんてない。


だから安心し切っていたんだ。