「おい、何してんだ?」




突っ込むつもりはなかったのに俺の声は自然と彼女らに届いていた。



「児嶋くんだ!いこ!」


女達は若木さんを置いてどこかへ行ってしまった。



「若木さん、大丈夫?」




噛んでいるように見えた唇がぱっと離れ、彼女は口を開いた。




「ありがとう……」



「やめてって、言えばいいのに…」




若木さんは首を何回も横に振った。




「喋っては…いけ、ないの」



「…今は喋っていいの?」




彼女は黙り込んでしまった。


あの子達とは喋れなくて俺とは話せるだなんて変な話だ。



「人格交換ガチャ…」



すると彼女は突然、そっぽを向いて呟いた。