人格交換ガチャ

「これから忙しくなるから……」



こうなってしまったのは全部自分のせいだとわかっていた。

あのガチャは何かを代償に交換してくれる。それは命よりも大事にしなきゃいけないものだとなんとなくはわかっていた。

わかってはいたの。

私は感情という命よりも大事なものを失った。だからもう大丈夫だと安心していた。



でも今やっとわかったのだ。


私は自然と命よりも円香を大事にしていたんだって。



「円香、ごめん。ごめんね……」




死者の声が聞こえるならばどんなにいいんだろう。今この場で泣けるならどんなにいいだろう。今すぐに円香を生き返らせられたら、どんなに嬉しいだろう。



二人が死んでから3日経った。
私は家から出なくなった。
というか家から出られなくなったのだ。

全てを奪う紫色は手で握ればそれを奪い取ってしまう。だから外に出て誤って人に向けて拳を作ったりなんかしたら、殺してしまうのだ。




だけど私は中学生。
またしばらくしたら学校へ行かなければいけない。


それが義務だから。




「きたなっ……」



お母さんも必死に働いていたが、この3日間はまともに外には出ていない。

私は暇だったのでお兄ちゃんの部屋を整理することにした。