人格交換ガチャ

私は自分の部屋のベットに寝っ転がって眠り込んだ。次に目が覚めたのはお母さんからの着信が聞こえた時だった。



「もし、もし…?」



「瑠璃!?大変なの!円香ちゃんが!」




私はすぐに部屋を飛び出して、ある大きな病院へ向かった。



“円香ちゃんが事故に巻き込まれて重体で”




円香が重体?
このタイミングで?

私がなにか間違えたというの?



「お母さん!円香は!」



私が集中治療室前で見たもの。
それは、お母さんと円香のお父さんが泣きわめき、抱き合っている姿だった。

一人の医師が私に近づいて言った。



「円香さんは、先ほど……」



円香は帰宅中、信号無視の車に突っ込まれてほぼ即死状態だったらしい。



その後、お兄ちゃんの遺体が発見された。その死体は綺麗に心臓だけが抜けていて、そのまま死んだと言っていた。




「お母さん、結婚はやめることにしたの。円香ちゃんが死んで、お兄ちゃんが、死んでお互い、結婚なんかしている場合じゃないから…」

“円香もお兄ちゃんも死んでるのに涙一つ流さないなんて…”



泣きたい気持ちはあったが、泣けないのだ。