人格交換ガチャ

「これが問題のガチャ」



「1回、君の大切なもの?」




「はい。多分、柳瀬さんはここで大事なものを取られてしまったんです」





本音の言える赤…。
取られたものは弱気な彼女。

そして私がまた弱音の灰色を受け取った。




「あなたは自分が好きですか?」



「え…?」

“この質問…前に柳瀬さんに…”



「自分が嫌い、自分に自信が持てない、誰かに愛される存在になりたい、変わりたい。そんな人達の願いの塊」




私はただ単純に平凡に、普通に、暮らしたかった。



「この世の中は不公平でしょ?あなたのように容姿の整った人もいればそうでない人もいる。いじめっ子がいるならいじめられっ子がいる。結ばれる恋もあれば、結ばれない恋もある」



「だからって命と引き換えるってことなの?意味が無いだろ!?」



「命、ではないんですよ。命よりも大切なもの、です。柳瀬さんは命よりも大切なものを無くしてしまった。奪われてしまった」




「意味わかんねぇよ……」

“実際死んでるんだぞ…”




「だって私が生きているんだもの。命が取られているわけじゃないわ」




「そう言えばさっき利用者って言ってたよね…。何が、君を変えて、君がどう変わったの?」