「瑠璃ちゃーん!おはよ〜」

“相変わらずお人形みたいな冷たい目”




人の声が聞こえるだなんて最初は神の力かと思ったけどそうじゃない。

学校がどれほど真っ黒かわかってしまう。






「あ」



「あ、橘さん。こんにちは」






まただ。

昨日あった男性とまた会った。

桜先輩の兄で柳瀬さんのクラスメイトの児嶋 晃。どこから見ても容姿端麗のイケメン。

柳瀬さんに好意を持っていたのにこんなことになってしまった人。

桜先輩が自殺してしまった。

可哀想な人。



「昨日の、ことだけど」

“桜のことと柳瀬さんのこと…それに君も”



「人格交換ガチャって知ってます?」




「え…?」

“昨日、バス停に貼ってあった…”



「知ってるんですね」



「あ、うん…?」

“俺、声に出してたかなぁ”




いつものバスの中、接点がなかったはずの私たちが話している。



「昨日と同じバス停で降りましょうか」


「え?」


「知りたいなら」