『お兄ちゃん、私、今の自分、全然好きになれないの…!変われるって思ったのに』



あれが最後の言葉だった。





「まさか、自殺なんてね…」



「ありえないよねぇ」



「豹変ぶりとかやばかったし〜。家庭内暴力とかあったんじゃない?」



「あんないい子だったのにね〜」





学校に行っても柳瀬さんの話でもちきり。学校の校門前にはたくさんのテレビ局。

先生達もその対応に追われ、ほとんどの授業が自習になった。







「柳瀬さん、残念だったな」




そう言ってきたのは前の席の浜田 朋也。
俺と同じバスケ部に所属している。




「ていうか、バスケ部、戻ってくる気ねーの?」




2週間前に桜が死んでからバスケ部に行く回数が減っていった。

しょうがない、と言ったらしょうがないのだ。


母さんは桜がいなくなってから病み始めてしまい、父さんは海外にいる。

家事を出来るのが俺しかいないから。