「痛い。痛い。痛いよ……」



庭からリビングを見ると、お母さんが首を吊っている姿が見えた。そしてお父さんはそれを見て絶叫している。

家族ですら、もう私を見てはいなかったのだ。



いいや。

私も誰も見てはいないんだ。自己中心の世界を生み出してしまったんだ。


これから先、私は私自身も他人を見ることは出来ない。





「楽しくない」




酷い人生だったと私は何度も呟いた。



なにが人格交換ガチャだ。
どこが交換された?

アンフェアじゃない?


私はこんなに不幸になったのに。


そこで私は初めて気づいた。




あの赤いカプセルは、本音が言えるようになるから赤いのではなく、

血が流れ出る結果になるから赤いんじゃないかって…。



今まさに、私がその状態だ。

真っ赤に染まった私の体はどれだけ美しいんだろうね。





「さようなら」





私は真っ赤に染まって死んだ。