人格交換ガチャ

いつの間にか夜になり、月明かりに照らされて私の涙は光り輝いていた。




「全然、楽じゃないんだね……」





最初は確かに楽だった。嬉しかった。
なのになんで?


言いたいことが言える赤

本音が言える赤


それはなにか違ったの?

私が心に思ったことはすぐに口に出るようになってしまった。





「こんなんじゃ生きてはいけない」




私のせいで今の酷い家族が出来上がったのは同然。




「あんなガチャガチャ、するんじゃなかった」



弱い自分と交換したということは我慢できる弱い自分がいなくなったんだ。

私から。




「もう嫌だ」




優しく迎え入れてくれたはずの宮前さんたちにも酷いことを言ってしまった。



本当に最低な人間。

家族だってボロボロにしてしまって…友達を失って、失恋して

今の私には何が残っているのだろうか。

死んでしまいたい。


それは声にも出ていて、私の体は宙に浮いていた。そしてふわりと庭にあったレンガに頭を打ち付けた。