そのあとバスが来て、私は乗り込んだ。
バスが動き始め、私は奥の方に移動し、外を見た。


信号で止まった時、誰かが警察官に補導されていた。その警察官は美咲のお兄さんでああ、かっこいいと思った。



ショッピングモールの前も通った。


あのショッピングモールの服屋さん、好きなんだよね〜。

中に一人、服を本当に好きだって伝わってくる優しい店員さんがいるし!




いつもの見慣れた風景なのに毎日違う世界を映し出す。私はそれがとても美しいと思う。







「あ、席譲りますよ。どうぞ」




ふと、そんな声が聞こえて私は声のする方を向いた。

それは同じクラスの児嶋くんと隣のクラスの橘 郁人くんだった。


どうやら児嶋くんが妊婦さんに席を譲ったようだった。






「あ、柳瀬さん!こんにちは」




私に気がついた児嶋くんは私に近寄ってきて声をかけてきた。


児嶋くんの友達はというと、妊婦さんと楽しそうに話していた。





あれ、この声って…夢の中で聞いた気がする。