郁人はどこかを指さした。
俺はその方向を見つめた。



「あんた…」





俺の息が荒くなっているのがわかった。






「ねぇ、児嶋くん…私ね?児嶋くんのこと、、好きなんだよ?」




そこにいたのは頭から血を流す柳瀬さんだった。その赤く染まった目は俺をじっと見つめている。





「や、やめろ!どうせ俺の顔目当てなんだろ!ひ、ひっ……!」



「そ、そんなわけ……」





柳瀬さんは俺に手を伸ばそうとした。俺は足が震え、その場に尻餅をついた。







「お兄ちゃん……どうして?」





後ろから聞き覚えのある声が聞こえて後ろを振り向いた。そこにはボロボロになった制服姿の桜がいて、桜もアイツと同じように真っ赤な血を頭から流していた。