「なぁ、晃。もう終わらせよう!お前しか終わらせられないんだ!」




終わらせる?
なにをだ?





「終わらせたらこの世界はどうなる?何を終わらせたいんだ?」





そう。俺さえ何もしなければ、何事も変わらない。






「世界がどうなるかはわからない。でももしかしたら失った命が帰ってくるかもしれない!」




「帰ってこねぇよ」





俺は確信があった。
失った命など帰ってくることはない。






「なんでわかるんだよ!」




「さぁ?俺が設立者だからかな?勘だ」





朋也は俺の胸ぐらをつかみ、強く睨みつけてきた。






「菜々をこんな事故に遭わせて……橘さんは歩けなくなって…!」





ああ、そうだそうだ。

人格交換ガチャのことの真実が曖昧になるように“意図的に”落石事故を起こしたんだっけか。


勝手に体が動いていた。



二重人格、というやつだったんだろうな。






「終わらせる?たまったもんじゃねぇ!」