狭間 優希さんが亡くなった。

代償制度は自分の命よりも大事なものが奪われる。



それを知った俺は罪悪感に押しつぶされた。俺はそれからというものの人格交換ガチャの近くに監視カメラを置き、ここに来る人達を観察した。

何人も何人も……彼が隠れて作っていたチラシを見てやってくる。





どれだけ捨てても捨てても週に1回は人が訪れ、ガチャをし、帰っていく。





俺はほんの少しの罪滅ぼしとしてガチャを引く人達の必要としてる力を与えるように細工した。

時々不具合もあった。

晃の妹と瑠璃の時だけなぜか引きたいものを引かせることが出来なかった。



晃がそういうプログラムを先に作っていたようだ。


多くの利用者がいて多くの犠牲者がいる。




俺は何も出来ない自分が嫌だった。






俺のクラスメイトでもあった若木 菜々、それに浜田 朋也と柳瀬 真結や黛 千穂といった俺の学校の生徒達。



それぞれが大きな代償を払ったのだ。



他にも若木 菜々の弟、若木 柚子。

児嶋 桜、俺の妹の……橘 瑠璃。




「瑠璃、ごめんな」




瑠璃も何かを失ってまで欲しいものがあるなんて思ってもみなかった。

瑠璃は誰よりもガチャを回し、感情豊かだった瑠璃は消えた。