俺は復讐に没頭し、学校へ行かなくなった。

家族は俺がいじめられていることは気がついていたからか、いじめを苦にして不登校になったと思われた。

正直、いじめから解放されてからは心も体も楽だった。

好きなことだけを出来る時間がこの手の中にある。そう思うと毎日が楽しい。




『あれは本物だったよ』





ある日、彼から電話が来た。

あの、人格交換ガチャが本物だというのだ。






「なに、言ってんだ?」




『あのデータを利用して数人の願いを叶えたんだ!あれは願いを叶える魔法のデータなんだよ!』




おどおどしていた口調だった彼が元気に明るくはっきりとした口調に変わっていて俺はなんだか怖くなった。




あのデータが人の願いを叶える?
そんな魔法みたいなことがあるはずない。




そう、思っていたのに。





「お前……マジでか?」




俺の家を訪れた彼は背が伸び、痩せ、顔が変わり、誰がどう見ても整ったモテるルックスになっていた。




「整形じゃねぇよな…」