人格交換ガチャ

「私は自分ではどうしようもないことに足掻きたかった」



「どういう、こと?」



「……あなたは自分を変えたい?」



近藤さんがそんなことを聞いてきた。



「いや、別に…」



「私は変えたかった。アパレルショップに働き始めたのはいいものの仕事はいつもダメダメ。毎日のように先輩達から怒られて残業続き…もう、精神的に死にそうでね」



「それで…?」



「私、自殺しようと思って雨の日の夜…歩道橋の上から飛び降りようと思った。そしたらふと、変な男がやってきて私にメアドを渡してきたの」



近藤さんは小さくボロボロになった紙を俺に渡してきた。




«http/○○△□.otuki.pc»




「私は気になって彼に連絡をした。そしたら、ひとつ、願いを叶える代わりに君の大事なものと交換する、と。私は上に立ちたいって言ったの。半信半疑でね」




彼女の顔はとても弱々しく、今にも死にそうな顔をしている。




「そしたら次の日、私はアパレルショップの月の売上額でトップに立っていた。そしていつしか…私は先輩をも抜く存在になっていたの」