人格交換ガチャ

この事件の背景はこうだ。

アパレルショップの社長に誘われた狭間さんは夜にお店に行ったが突然気絶させられ、気がついた時には廃校にいたという。

男の本当の目的は金、ではなく、狭間さん自身であった。


襲われる寸前を目撃した僕は理性を抑えられなかった。





だが、俺は犯人に無意味な暴力を振るったことになり、三日間の謹慎を命じられてしまった。



「ちっ、美咲のやつ……買い出し頼まれてたのにサボりやがったな…」



家の買い出しは基本、美咲がやるが、最近はいつもサボってばかりで怒られている。




「謹慎中、なんだけどなぁ。ま、正当な理由があるし」




俺は自分の家の扉を開けた。すると目の前には小柄の見覚えのあるいとおしい女性がきょとんと立っていた。



「あ、近藤…さん…」



「は、狭間さん？どうしてここに…」




すごくラフな部屋着なんて彼女に見せたくはなかったが、もう手遅れだ。





「助けていただいたのにお礼を言っていなくて……警察署に事情聴取されると同時に近藤さんのこと尋ねたら、謹慎中だっていうから…」




彼女の手にはさっき買ったのか有名なケーキケースがあった。