人格交換ガチャ

俺は彼女に一目惚れをしていたんだと思う。



土曜日の夜、彼女の働いているお店に行った。女性ばかりで注目を浴びてしまったり、いろんな人から声をかけられた。




「彼女待ち?」



「え〜このショップにですか〜?」




仕事を一足先に終えたショップの店員たちが俺を囲む。すると、ショップから彼女が出てきた。



「狭間さん!」



俺がそう言うと辺りが一気に静まり返った。



「え、彼女って狭間さん?」


「まじぃ?」


「やばくねぇ?あの、男たらしが?」




狭間さんは俺を見つけると逃げるようにしてどこかへ消えた。俺は狭間さんを追いかけたが、小柄な割にはとても足が速く、途中で見失ってしまった。


俺はすぐに立ち止まって電話をかけた。
1回、2回、3回、4回…

5回目でやっと彼女の声が聞けた。



「なんで、逃げるの?」



『あ、あなたの彼女だって…思われそうになったから…』